川久保 ジョイ Fifteen thousand and seven hundred suns


「展示空間全ての壁面(白い場所)と中央のキャンバスに 50mm ピッチでマッチを並べると丁度 15700 本になります」という彼の計算には並べるための時間は加味されていない。15700 という数字は地球上 に残っている核弾頭の数で、太陽光を鏡の反射で室内へと取込み、虫眼鏡で集光してひとつひとつ燃やす、 というよく考えられたプログラムであると思った。展示までに到底間に合わない、全ての作業をオープ ンスタジオとして、協力者を募集していこうと設定。それでも展示期間中に並べたマッチは 1/3 程。誤 算は晴天に依存する照射プロセスで、梅雨時期であったこと。最期の2日しか晴れなかったが、燃やせ た時の興奮は格別のものであった。最終的に 30 本ほど燃やすことが出来たし、またの機会で続けてい きたいと川久保。核弾頭を減らすことは容易ではないことを証明した。




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