相澤 安嗣志 EFFECT
錆という酸化現象をモチーフに作品を展開し続ける相澤。完全に静止した様に見える作品と空間、しか
し錆の進行は常に進み続ける。彼は錆させるという人的行為をもって作品を描いているが、本意であっ
たかは別として彼のコンセプト通り、展示期間中にも作品は目に見えて変化し、搬出時には大事に育て
ていた錆はボロボロに崩れ落ちたりと制御の範疇を超えていく。コンクリート床に落ちた錆の汁も床で
成長し、展示期間が終わった後も床の錆は成長を続け我々をヒヤヒヤさせた。空間の中心に照明用の柱
を立て表サイドの壁を照らし、奥には屋根のついた展示壁を追加、風雨になんとなく晒される大判の錆
の作品は空間構成要素としても機能していた。